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大阪湾湾奥を7つの海域に区分し、区分海域の平均滞留時間と90%交換時間を評価した。
FiG-10.に海域区分を示す。実験によって各区分海域に一様に初期配置した浮標ボールの当該海域内での残留率の経時変化(同じ実験2回の平均)を求めた。この残留率の変化をexp(−at^b)(tは時間、a、bは定数)で回帰し、平均滞留時間と90%交換時間を求めた。その結果を示したものがTable-2.である。case4の場合には、case0と比較して、A、B、C、Eの領域の滞留性が増しており、広範囲にわたって、海水交換特性に影響が生じたことが示されている。
4. まとめ
瀬戸内海大型水理模型による実験結果は、大阪湾においては、構想されている埋立によって将来生ずるかもしれない大阪湾の地形変化によって、大阪湾の時計回りの潮汐残差流は変化を被ることを示した。
また、大阪湾の湾奥の海水交換特性も地形変化によって影響を受け、将来的には湾奥で滞留性を増す可能性のあることが示された。
参考文献
1)柳哲雄(1989)、「沿岸流洋学 −海の中でものはどう動くか−」、恒星社厚生閣

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Fig-10. Domains for estimation of mean residence time.

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Table-2. Mean residence time and 90% exchange time.Time unit is in M2 tidal period.

 

 

 

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